バブル期に商社マンから高校教師に転職した男が本気で怒った夜・前編
今回はサラリーマン時代の話を書いてみます。
私は大学を出てから５年間だけ東京で会社勤めをしていました。
新入社員でも名刺があればタクシーに乗れた、そんな時代でした。
今は学習塾を経営しています。
毎日、子どもたちに勉強やモノの考え方、生き方などを話しているわけです。
３０年が過ぎました。
- バブル期に商社マンから高校教師に転職した男が本気で怒った夜・前編
- バブル期の商社マン
- 夢のような商社の独身寮生活
- 主役は転職前の 〇塚くん
- バブル期のはなきん（華金）の夜の出来事
- 平和な神田の街
- スーツはサラリーマンの命
- 動く〇塚くん
バブル期の商社マン
会社員時代の仲間のひとりが今回の主役です。
〇塚くんといいます。
横〇国大空手部出身の、徳の高いお坊さん のような風貌をしています。
ただ、この記事の登場人物はすべてそうですが、「学部どこ？」と聞かれて「空手部」と答えるような男ばかりです。
時は バブル前夜。
〇塚くんはディスコの「マハラジャ」全盛の時代に ボウズ頭 です。
世間が パラパラ を踊っている時代に、ボウズ頭で正拳突きなのです。
やせて小さくなれば、風貌も徳もインドのガンディーです。
〇塚くんは英語の高校教師の資格を持っていて、常々「実社会体験を積んだあと教師になります」と話していました。
当時の２２歳にしてはなかなかに心憎い人生設計です。
夢のような商社の独身寮生活
会社の独身男性社員のほとんどは独身寮に入っていました。
１階に食堂があって、ビールなんかが冷えていますから、毎日が宴会です。
夜ごと大人の修学旅行を満喫していました。
寮での私は、ボディーガードに囲まれた状態でした。
部屋の左隣が仙台の東〇大学ボクシング部でブイブイ言わしていた男です。
〇股くんといいます。
右隣の部屋には学習〇大学空手部で副主将をやっていた男、〇橋くん。
のちに自分の結婚式で試し割り演武をして、８段積んだ瓦を真っ二つに割った男です、、、
これって縁起的にどうなのでしょう。
親戚縁者からは「結婚式でモノを破壊するとは何を考えているのだ」と 絶賛の嵐 だったそうです。
主役は転職前の 〇塚くん
独身寮の私の部屋。
廊下をはさんで正面の部屋が〇塚くんです。
私の部屋を 猛者たち が取り囲んでいるのです。
毎夜安心して眠ったものです。
３人とも入社が私より２年あとです。
ちょっと離れた部屋には早稲〇大学空手部の主将だった先輩もいます。
このかたは４つ上でしたから、畏れ多くてこちらからあいさつする程度の仲でした。
とにかくこれで怖いものなし。
安心して枕を抱き、幸せな夢を見ていました。
バブル期のはなきん（華金）の夜の出来事
「はなきん（華金）」ということばが舞い踊っていたそんなバブル前夜のある金曜の夜。
格闘家３人と飲みに行ったのです。
行き先は神田。
会社から歩いて１５分ほどです。
会社は商社だったのですが、居酒屋に入ると誰も会社の業績や日本の未来や海外勤務の話などしません。
格闘家らしく、パンチや蹴りの繰りだし方を将来の日本のために熱心に語り合いました。
その帰り道のことです。
平和な神田の街
後輩３人と私は神田の道を駅に向かって歩いてました。
新宿や渋谷と違って、神田の街は平和です。
酔っ払いのケンカなど見たことありません。
そこに、前から神田の街にはそぐわない 特攻服 を着た３人組が歩いてきたのです。
私たちは２人ずつ２列になって 爽やかに 歩いています。
3人組は 横一列 で 暑苦しく 歩いてきます。
前から人が来たら、相手が誰であってもぶつからないようによけます。
日本を代表するサラリーマンとして当然のことです。
ところが 特攻服の男３人 はぐいぐいと肩いからせて迫ってきます。
よける素振りも見せずにまっすぐ来たのです。
不穏な空気。
スーツはサラリーマンの命
そしてなんと。
端の男がそのまま〇塚くんに 激しくぶつかった ではありませんか。
その上、すれ違いざまにツバを吐きかけたのです。
ツバは〇塚くんのスーツの裾にかかりました。
あ～あ。
なんて、そんなのん気な状況ではありません。
スーツといえばサラリーマンの制服です。
日本を支える（大げさ、てかウソ）ために日々奮闘する体を守るものです。
「２４時間戦えますか」の時代です。
ビジネスマンは熱かった。
制服を汚されて黙っている男はいません。
〇塚くん以上に、〇股くんと〇橋くんが顔を真っ赤にして、今にも突っかかっていきそうです。
そこで初めて、〇塚くんが動きました。
動く〇塚くん
徳が高くても悟っていても、動くときは動く。
ふだん泰然とした彼も怒り心頭に発したか。
それまで無言だった〇塚くんが、気色ばむ同僚2人を手で静かに制しました。
それから１歩足を踏み出したのです。
ひと言も発しません。
なにしろ ボウズ頭 です。
バブルの時代にそれだけでもただ者ではありません。
不気味とも言えます。
大仏が動いた。
私にはそう見えました。
〇塚くんは３つの特攻服と対峙して、左足を半歩出して半身（はんみ）になりました。
無言無表情、、、
あー。
残念ながら、今日のところはここまでです。
お怒りの声が聞こえてきそうです。
つづきは明日夜８：００に投稿します。
あなたのこれまでの半生には、どんな きわめつきの人 がいましたか。
本日は当ブログをお読みいただきまして、ありがとうございました。
またあした。
■その後私は会社を辞め世界放浪の旅に出ました ↓ ↓ ↓
■旅先で大泣きしたことも、、 ↓ ↓ ↓
